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事実の概要

(1)

昭和62年6月、X(本訴原告・被控訴人・被上告人)は、Y(本訴被告・控訴人・上告人)から、本件土地上にXが建築したビルでYが転貸事業を営み、Xに対して長期にわたって安定した収入を得させる内容の提案を受け、交渉を進めることとした。¶001

平成3年4月、本件建物が完成したため、XはYとの間で、次の①~⑥の内容の契約を締結し、賃貸部分をYに引き渡した。①XはYに対し、本件賃貸部分を一括して賃貸し、Yはこれを賃借し、自己の責任と負担において第三者に転貸し、賃貸用オフィスビルとして運用する。②賃貸期間は、本件建物竣工時から15年間とし、期間満了時には、双方協議の上、更に15年間契約を更新する。賃貸期間中は、不可抗力による建物損壊または一方当事者の重大な契約違反が生じた場合のほかは、中途解約できない。③賃料は、年額19億7740万円とし、Yは、毎月末日、賃料の12分の1(当月分)を支払う。④賃料は、本件建物竣工時から3年を経過するごとに、その直前の賃料の10%相当額の値上げをする(本件賃料自動増額特約)。急激なインフレ、その他経済事情に著しい変動があった結果、値上げ率が不相当になったときは、協議の上、値上げ率を変更することができる(本件調整条項)。⑤YはXに対し敷金として総額49億4350万円を預託する。⑥Yが賃料等の支払を延滞したときは、Xは、敷金をもって弁済に充当することができ、Yは、Xから補充請求を受けた日から10日以内に敷金を補充しなければならない。¶002