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事実の概要

昭和48年2月、X(原告・控訴人・被上告人)は宅建業者Y(被告・被控訴人・上告人)から宅地(以下「本件宅地」という)およびその地上建物を買い受け、その代金を支払った。同年5月、本件宅地につきYからXへの所有権移転登記および引渡しがされた。¶001

本件宅地の一部には、昭和47年に市の道路位置指定がされていたが、Xはこのことを知らなかった。平成5年12月ころ、Xが本件宅地の売却を仲介業者に依頼したことをきっかけに、平成6年2月ないし3月ころ、本件宅地を調査した結果、Xは本件宅地の一部に道路位置指定が存在することを初めて知った。同年7月ころ、Xは、これが存在すると本件宅地上の建物の改築にあたり床面積を大幅に縮小しなければならないなどの支障が生じることから平成29年改正前民法(以下「改正前民法」という)570条の「隠れた瑕疵」に当たるとして、Yに対して、道路位置指定を解除するための措置を講ずるよう求め、それができないときは損害賠償を請求する旨を通知した。Yは道路位置指定の解除措置を講じることを拒み、損害賠償請求権の時効消滅を主張した。¶002