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事実の概要
A信用組合は、昭和28年の労働金庫法施行のため、B労働金庫への組織変更を予定していた。Bへの改組後は、労働金庫法58条1項2号により、同法11条所定の会員にしか貸付を行うことができなかった。X(原告・控訴人・上告人)は、これまでAから数度にわたる貸付を受けていたが、Bの会員資格をもたないため、このままではBから貸付を受けられなかった。さらには、AがBに改組するまでに従来の貸付残額の決済を求める意向を有していることを知った。そこで、Xは、AがBに改組した後、架空のC労働組合を組織したことにし、Bの会員資格取得手続を経て、Cの代表者としてBと当座貸越契約を結び、上記債務の弁済その他に必要な資金の貸付を受けた。その際、Xは、この貸金債務を担保するため、自らが所有する本件不動産に根抵当権を設定した。後日、この根抵当権が実行され、Y1(被告・被控訴人・被上告人)が本件不動産を競落し、所有権移転登記を受け、その一部をY2(被告・被控訴人・被上告人)に賃貸した。¶001