FONT SIZE
S
M
L

事実の概要

X(原告・控訴人・被上告人)は、学校法人Y(被告・被控訴人・上告人)が設置する大学(以下、「本件大学」という)に教員として、昭和62年4月に雇用された。Yには、教員の定年を満65歳とする定年規程(以下、「本件規程」という)があり、Xはこれを交付され、誓約書を提出した。しかし、Yには70歳を超えて勤務する者も相当数存在しているという実態があり、Yの理事の1人からXに対し、定年はなきに等しく、80歳くらいまで勤務可能であるという趣旨の話があったことから、Xは、80歳くらいまで本件大学に勤務可能であると認識していた。しかし、平成18年9月に、Xは、本件大学の学長から、本件規程により満65歳で定年退職になる旨を伝えられ、平成19年3月末に、Yから定年により職を解く旨の辞令を受けた。そこで、Xは、Yとの間でXの定年を80歳とする合意(以下、「本件合意」という)があったと主張して、Yを被告として、雇用契約上の地位の確認および賃金等の支払を求める訴えを提起した(以下、「本件訴訟」という)。¶001