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事実の概要

X(原告・控訴人=被控訴人・上告人)は、平成2年9月、Aに30億円を貸し付け、その担保としてB所有建物(以下「本件建物」)に抵当権の設定を受け登記を経由したところ、平成4年12月にAが倒産した。Bは、本件建物を賃貸して賃料月額707万円余を得ていたが、平成5年1月に本件建物をY(被告・被控訴人=控訴人・被上告人)に賃料月額200万円・敷金1億円・譲渡転貸自由の条件で期間を定めず一括賃貸(従来の賃借人はYから転借)する契約を締結した。同年4月、BはCから7000万円を借り受け、その代物弁済として翌月から3年分のYに対する賃料債権をCに譲渡し、Yの確定日付のある証書による承諾を得た。そこでXは、抵当権の物上代位権行使として、BのYに対する将来の賃料債権のうちXの貸金債権相当分までの差押命令を得た。その後Xは、Yの転貸料債権の差押命令も得たので平成6年4月以降に弁済期が到来する賃料債権の差押えを取り下げ、平成5年7月から翌年3月分までの賃料債権の取立てをYに請求した。¶001